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喜多見中通遺跡出土馬具

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考古

喜多見中通遺跡出土馬具 (きたみなかどおりいせきしゅつどばぐ)

資料ID 21616
分類 遺物(出土品)
文化財指定 区指定 有形文化財(考古資料)
文化財指定日 2009/11/16
所在地 宇奈根一丁目8番21号 宇奈根考古資料室 非公開 [マップで表示

 この轡(くつわ)は喜多見7丁目に広がる喜多見中通遺跡の21号住居跡から出土した馬具(ばぐ)の一部で、古墳からの出土例を含めても、関東地方最古(5世紀中頃)とされている。本例は轡の本体である銜(はみ)に立聞(たちぎき)と遊環(あそびかん)が連結されている。
 さて、轡(くつわ)は乗馬の際に馬の口にかませて使われるもので、鉄で作られている。現在は錆びついて曲がってしまっているが、本来は可動式で、復元すると長さが20.5センチメートルになる。連結環は太さ0.6~0.7センチメートル、銜先(はみさき)環は直径4.5×3.9センチメートルとやや大ぶりで銜先環と一体になった軸部は針金状の細い鉄をねじって作られている。
 この形式の轡は朝鮮半島南部の伽耶(かや)地域に出現し、古墳時代中期の5世紀初めころには畿内(きない)をはじめとする西日本に現れて、5世紀中頃には東日本まで広がり、5世紀末には消滅すると考えられている。全国で20例ほどが確認されているが、そのほとんどは小規模な古墳から出土していることが注目される。
 多摩川流域における古墳時代中期を特徴づける資料として、また同時代の朝鮮半島との交流を示す点で重要である。

世田谷デジタルミュージアム

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