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次大夫堀公園民家園 岡本公園民家園

掲載日：2023年7月16日

令和５年度「夜まで民家園－くらしの中の水－」の内容を紹介します

令和５年度　民家園の夏を楽しもう「夜まで民家園」では、開園時間を２０時まで延長し、普段は見られない夜の民家園をお楽しみいただけます。

ここでは、７月１５日土曜日に「くらしの中の水」をテーマとして開催した内容の一部をご紹介します。

また、９月には「火のあるくらし」をテーマに開催を予定しています。詳しくはページ末をご覧ください。

 

◇朝顔

夏の風物詩として多くの人に親しまれている朝顔は、江戸時代に観賞用として改良され、庶民にまで広がり、大流行をもたらしました。

庭がなくても鉢植えで十分に楽しめる朝顔の生長から夏を感じ、心の安らぎとともにつかのまの涼しさを得ていたことでしょう。

写真１　「民家園の夏を楽しもう　夏の暮らし再現」の朝顔展示。

 

写真２　朝顔の花から色水も作ることができる。

 

◇井戸端

昔の農家には、屋敷(やしき)内に水道が引かれていなかったため、毎日井戸の水を汲(く)み、主屋の中の水瓶(みずがめ)に溜(た)めて炊事(すいじ)や飲み水などに使用していました。また、井戸では、出荷前の野菜、洗濯物、炊飯(すいはん)用の米などの洗い物、移動できる風呂桶(ふろおけ)などは、井戸の近くで使うことも多かったようです。

毎日の水汲みは、主に女性や子どもの仕事でしたが、水を手桶(ておけ)に入れ、何度も運ばなければならなかったため、とても重労働でした。昔の井戸端には、女性や子どもが、水汲みや洗い物など、農業の合間に忙しく働いていた風景があったのです。

写真３　炊事、洗濯、風呂などで桶を使う場面が多かった。

 

◇流しと風呂

昔の家の中には、炊事をするための場所に流しがあり、近くには水を溜めておく水瓶を置いていました。流しの水は建物の外に排水され、使用した水を屋外の水瓶に溜めておけるようになっています。

床上に座って使う「座り流し」は、古くは木で作られ、水はけがいいように、流しにすのこを敷くこともありました。また、一日の農作業を終えると、井戸近くや土間で風呂に入りました。

写真４　炊事などに使われた、家の中の座り流し。

 

◇雨乞い

日照りが続くと、村人は大山阿夫利神社（神奈川県伊勢原市）由来の竜神水を村へ持ち帰り、雨乞いが行われました。

村では、御神体となる藁でできた作り物の大蛇やサシなどを用意します。人々は用水堀などに入り「懺悔 懺悔 六根清浄(さんげ さんげ ろっこんしょうじょう)」などと唱えながら水を浴びて、降雨を祈願しました。

写真５　平成１４年に、世田谷区教育委員会が岡本自治会にご協力いただき、雨乞い儀礼を再現した。（個人所蔵）

 

写真６　大蛇やサシ、竜神水を運ぶ容器は村人によって作られた。

 

◇村と川

かつて河川や用水は、水田、野菜の洗い場、水車稼業といった生業に使用されたほか、物資の運搬や漁撈、炊事や洗濯など生活する上でも不可欠でした。

そのため、河川の整備や用水の普請など、村中の人々は様々な場面で協力して管理してきました。

当時は、身の回りの自然環境と生活が今日よりも密接に関わっていたといえます。

写真７　昭和はじめ頃、大蔵付近にあった次大夫堀の洗い場風景。（世田谷区教育委員会所蔵）

 

◇盆の送り火

世田谷では、７月または８月に先祖の霊を供養する盆行事を行っていました。

この時、家の仏壇前に造った盆棚には、収穫した野菜や料理など、様々なものが供えられました。

盆の終わりの日、７月１５日頃には、家族がちょうちんやたいまつを持って墓や辻などに行き、送り火を焚いて先祖の霊を送りました。

写真８　暮らしの歳時記「民間暦・盆」　盆棚の再現展示。

 

写真９　暮らしの歳時記「民間暦・盆」　先祖の霊の送り迎えの時に使われた道具の展示。

次回予告「夜まで民家園 -火のあるくらし-」